Interview

インタビュー

ITの力で未来を切り拓く。
私たちはお客様と共に寄り添う開拓者だと考えています。
日々どのような思考、姿勢、創造によって、
私たちが仕事をしているのか。言語化し、お届けします。

技術者が語る現場。

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Discussionテーマ対談エンジニアが求める理想。

エンジニア観点で考える働きやすい環境。

対談:2025年9月

誰でも、どのような仕事でも、できるだけ働きやすい環境で仕事をしたいと思うでしょう。また、納得感の高い仕事の評価がされれば、モチベーションにつながります。エンジニアにとって、働きやすい環境とは、そして評価とは。ラ・ハイナのエンジニアの堀川善生と小中葉人、そして代表の武岡佑樹が議論します。

ITソリューション事業部 インフラ技術室 堀川氏

ITソリューション事業部 インフラ技術室 堀川氏

現代のエンジニアの業務環境、
リーダーとしてはどう思う?

――エンジニアとして働きやすい環境とは、何でしょうか。
みんなで協調しながらやっていく、ということもあるでしょうし、ときには自分の主張で推進する環境、または極めて個人主体の作業環境などが必要であるように感じますが。

堀川善生(以下、堀川)

 業務環境をつくる意味では、各メンバーが主張しやすい、話しやすい環境にすることを意識しています。というのも、エンジニアの仕事は少なからずプレッシャーもあり、環境によってはメンタルにも負担がかかることもある仕事であるともいわれているからです。
 なので、普段から各々のプライベートの話や 、まずは自分から趣味の話などをして会話しやすい環境をつくるようにしたり、ランチに行くなど和やかな雰囲気をつくったりするように工夫をしており、そのうえで日次定例など近況の課題や報告事項を出し合って共有する場を設けています。

 また働く環境というと今の時代では、リモートか出社か、ということを気にされるエンジニアの方も多いですが、ラ・ハイナは、現場による部分もありますが、フルリモートやリモートと出社のハイブリッドなど柔軟な勤務が可能です。
 もっともデメリットとしてはリーダーとして管理する場合、リモートだとチームとしてメンバーの動きを把握したいときに円滑さが失われるように感じます。
 たとえば、こちらの言っていることを理解してもらう、相手の言っていることの理解度を高める、といったことが難しいと感じます。
 半面、メリットとしては仕事以外での部分(生活面)での融通を利かせながら働くことができる点です。メンバーが家族の育児や介護が必要な場合でもオフィスに縛られない働き方ができます。 また小中さんもそうですが、東京の会社が別の地方や海外の優秀な人と仕事をすることもメリットだと思います。

小中葉人
(以下、小中)
 はい。私は石川県で暮らしており、ラ・ハイナに入社してからはリモートで仕事をしてきました。東京は案件が多いため、地方から東京の案件に参画するエンジニアは、ラ・ハイナに限らずスタンダードな働き方になったと思います。
 通常、東京の案件に入るためには地方だと、まず引越しが必須になりますが、家庭の事情やリスクが伴うため、これまで諦めていた人もやりたいことに挑戦できる時代となったことは嬉しいですね。通勤時間分の時間ができるため、その時間をどう使うかもその人のキャリアに影響する重要なところです。
堀川  私も小中さんも、リーダーとしてチームを任されています。率直にいうと、リーダーとしては出社した方が仕事をしやすいですね。質問にあった協調や意見といったことも、リモートだと引き出すのが難しい。
 また先ほども申し上げたように、私から情報共有やフィードバックをするのも、やはりリモートより出社して隣に座ったときの方が伝えやすいと感じています。
小中  分かります。特に若手のメンバーに対しては、どう考えて作業したのかの過程を確認し、間違っていた場合は軌道修正や考え方を伝える必要があ ります。マイクロマネジメントというわけではありませんが、隣にいる メンバーとの状況確認の頻度が増え、雑談を含めたコミュニケーションが取れます。これはプロジェクトや若手の成長の スピードアップに繋がりますね。
 また対面の方が、ちょっとした目配せや身振り手振りなどから会話以上の気分の揺れ動きを掴みやすい分、意見を汲み取りフォローをしやすいのは明らかです。
堀川  そうなんです。直接、話をしていれば、「あ、何かもっと考えていることがありそうだな」と気付けます。
 私は、リモート・出社のハイブリッドで仕事をしているので、リモート時のミーティングの他、直接、話す機会をつくれます。リモートの時間が多い小中さんは、どうしていますか。
小中  チャット上での「即レス」ができるよう心がけています。即レスができなくても、できるだけ早くスタンプ・アイコンを送るなどしていますね。
 あとは、不明点などがある場合は「少人数でミーティングしませんか?」とすぐ会話します。チャットだと文章で言いたいことだけ書いてしまうので、どうしてもきつく捉えられがちです。会話をすると、仕方なく現状の動きになっているなどのニュアンスがわかり、意思疎通ができ るからです。
 コミュニケーションの中で不信感をなるべく拭うのが、信頼されるために大切なことだと思います。
武岡佑樹
(以下、武岡)
 働きやすくなったことはとても良いことですが、「成長」「育成」という観点において言えば、リモートにこだわりすぎるデメリットをしっかりと考えて判断していく必要がありますね。
ITソリューション事業部 開発技術室 小中氏

ITソリューション事業部 開発技術室 小中氏

他社での経験も豊富なリーダーから見た、ラ・ハイナという会社

――リーダーになると、メンバーのように目の前の仕事だけに没頭するわけにも、いきませんよね。

小中  プロジェクトを完遂するために、きちんとタスクを実行していくというのは、リーダーもメンバーも同じだと思っています。しかし、リーダーは「それだけではいけない」というのは思いますね。
 そのため緊張感も増しますが、楽しいこともあります。特に、チームのメンバーやお客様など、「人」に目を向けるようになりました。コードを書く、技術を習得するだけでなく、人の考えなどに関心を向けるようになったということです。
堀川  メンバーの一人として働いていた以前の自分も、お客様のことを考えている意識はありましたが、リーダーになってからの意識の強さと比べると、だいぶ違うのではないかと思います。お客様が話す言葉以外の思いや要求の背景を、より深く考えるようになりました。
 このように視野が広がったと感じており、それは楽しさにつながります。
 リーダーになってしまっても……いや、「なってしまって」はまずいですね(笑)、リーダーになってこその楽しさもあると感じています。
武岡  なってしまって、という言葉、私はよいと思いますよ(笑)。リーダーというのは、必ずしも自分から手を挙げてなれるわけではなく、「堀川さん、そろそろリーダーの立ち位置でやってくれるとありがたいな」と周りから認められてなるケースの方が多いのではないでしょうか。
 周囲がそういった思いを自然に持つことで、リーダーに「なってしまう」。それが、今の堀川さんだと思います。
 一方で小中さんは、入社当初からリーダーやマネージャーになりたいと言っていましたよね。
小中  そうですね、前職の頃からマネージャーとしてのキャリアは意識していました。関連する本を読んだり、実際のリーダーの姿からキャッチアップしたり、ということをしていましたね。リーダーになれば責任も増えますが、プロジェクトに自分自身の技術を反映させて、より会社やユーザー、社会にも貢献できると考えていました。
 ただ、前職の会社は比較的大きな会社でありつつ 、管理職の数が限られている上、ハードウェアの会社だったのでソフトウェアの開発者は少し注目を集めにくい部分がありました。なので、前職のままキャリアを積んでいったとしたら、マネジメントというよりも技術のエキスパートを目指す方向にいっていたのではないかなと思います。
 しかし、ラ・ハイナに入社したことで人を管理する、育てる仕事に就けたので、そこは前職と大きな違いになりましたし、経験につながっています。
武岡  小中さんの場合は、元々マネージャーを意識していたことが今の仕事に表れていると感じます。自発的にAWS(Amazon Web Services)の勉強会を若手社員向けに開いたり、情報共有の体制を整えるために社内ポータルサイト作成を提案してくれたり。
 また、今後のラ・ハイナの戦略的に、新たな社員研修を始めるのですが、それも小中さんが提案しつくってくれました。このインタビューで、そういう素晴らしいことをどんどんアピールしてほしいのですが、小中さんはそういうことを自分からは言わないんですよ(笑)。
小中  (笑)。そういうことができるのも、ラ・ハイナの自由度が高く、スピード感を出した仕事が可能な環境だからだと思います。前職でも、新しい取り組みの提案はできましたが、大手企業で課題となりがちな話で、コンセンサスを取っていくのに大量の時間と労力が必要でした。
 エンジニアがエンジニアとして主体的に動ける今の環境は、積極性のある若手社員の育成にとって、また色々と挑戦したい中堅ベテランエンジニアにとって仕事がしやすく、これは、会社の規模と関係なく、エンジニアにとってメリットとなります。
ラ・ハイナ株式会社の武岡代表

ラ・ハイナ株式会社の武岡代表

制度をつくっていて感じる、エンジニアの評価で大切なことと思考力の重要性

――仕事の環境が整備され、リーダーとして人をまとめていくとなると、適正な人事評価も大切となってきます。どの会社でも、評価制度はいかに構築すべきか悩んでいるポイントになると思います。

堀川  ちょうど昨年、武岡さんや小中さん、その他のエンジニアの方々と新しい評価制度をつくり、いま運用をしているところです。  あくまでもエンジニアという技術職についてのみでいうと、キャリアが浅い人はまずは技術を身につけてもらう必要があります。だから、このタスクができる人は評価できる、できない人は評価できないと、判断しやすい基準をつくることでエンジニアにとって納得がいく内容になると思っています。
小中  だけど、すでに技術が身についた人、マネジメントする立場の人の評価は難しいですよね。
堀川  そうなんです。
 仕事の役割はそれぞれありますが、リーダー・マネージャーもメンバーも、最も大切なのはプロジェクトを成功させることです。そして、スキルはプロジェクトを成功させる手段、ツールとして存在するためのものだと思います。
 現代だと、生成AIが社会に浸透しており、バイブコーディング(AIがコーディングをサポートしてくれるもの)やベンダーからはAIを活用した構築(移行)サービスも登場しています。しかし、エンジニアの仕事では前提となる基礎知識がないとAIの仕事結果をチェックしたり、AIのできることを応用したり、AI以上の仕事をしたりができません。
 だから、マネージャーはメンバーのスキルや知識を正しい方向に伸ばしプロジェクトを成功に導くことが仕事の一つになります。もし、間違った方向へ伸ばしてしまうと、いくらAIがあったところでプロジェクトも間違ったまま進んでしまうリスクやエンジニアの将来の選択肢を狭めていく可能性があるからです。
武岡  その通りですね。リーダーやマネージャーにはその責任があり、ITスキルとは別のスキルや視点、思考が必要です。だからこそ、ラ・ハイナの新しい評価制度はマネジメント評価と技術評価は異なる軸で評価するように設計してあります。新しい評価制度の肝となる「スキルレベル表」というものがあるのですが、各技術職のものだけでなく、マネジメントのスキルレベル表まで作成したのはそれが理由です。
小中  前職では、直属のマネージャーだけでなく別の部署のマネージャーに評価される必要があるという基準もあり、エンジニアでない人から自分の技術が評価を受けることにすっきりしない部分が心の中にありました。
 もちろん、どこの会社でも起こり得る話だと思いますし、それだけ評価制度を整えるのは難しいことなのだと受け止めてもいます。
 しかし、やはり技術や提案力、マネジメントなど、その人の商品価値をしっかりとした基準で評価されるのは、納得感がありますよね。
武岡  ラ・ハイナにはさまざまな技術領域のエンジニアがいますが、各々のエンジニアに必要なITスキルは、人にもよりますが、いつかどこかで頭打ちになることや、伸び悩むことがあり得ます。
 一方で、考えること、思考力は、どこまでいっても限りがない。思考力は無限大に伸ばせると思うんです。
 仕事をしていれば未知の課題と出会ったり、お客様と一緒に解決策を考えたり、より高い成果を出すために高効率や高効果の方法を模索したりもします。おそらく失敗もしますし、何度も挑戦したりもするでしょう。この時に必要なのが、思考力です。
 だから、ある程度技術を身につけた人が次のステップに進みたいとなったら、思考力をどれだけ広げていくかがすべきことの一つになると思います。「ITスキル×思考力」でどれだけ自分自身やチームに高い成果を生み出せるかということです。
 ラ・ハイナは、技術とマネジメント、両方の評価軸できちんと評価します。ただどちらの軸にも共通して言えることは、思考力を高めてより良い成果を出せる人になってほしいということです。これからのAI時代には、必要な力だと思っています。

Discussion

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